2013年5月2日木曜日

5つの欲求をTRPGに当てはめてみる

先日、人の欲求の5つの話を紹介した。
愛情、承認、自由、挑戦、安心である。

TRPGのマスターをする時、プレイヤーを満足させるにはこの5つの欲求を満たさせる必要があるのではないかと考えた。
TRPGで当てはめるなら、この5つの欲求は、

愛情:プレイヤー同士、あるいはマスターとプレイヤーのコミュニケーション
承認:各キャラクターの活躍、見せ場
自由:プレイヤーの意思決定
挑戦:強敵や難関を突破すること
安心:プレイヤーフレンドリー

となるのではなかろうか。

 全て高いレベルで出来るならそれに越したことは無いが、それはまず無理である。
 したがってマスターはシナリオ作成およびプレイに当たり、プレイヤーのどの欲求を満たせるものにするのか優先順位をつけなければいけない。その優先順位こそがプレイスタイルであり、プレイヤー間あるいはプレイヤーとマスターの間で違いすぎると、トラブルの原因となったり、つまらないセッションになってしまうのではないだろうか。

優先順位によってゲームの方向性は例えばこうなる

愛情(高):ロールプレイ重視、プレイヤーの演出がゲームに影響する
愛情(低):ルール重視、あくまで会話部分は演出であり、べつにしなくてもゲームは成立する

承認(高):各キャラクターの見せ場が用意されている。個人プレイもある程度認められる。
承認(低):チームワーク重視。各キャラクターはあくまで駒である。各プレイヤーが努力しなければ自分のキャラクターの見せ場はない。

自由(高):アドリブが効く。あるいは選択肢が多く、プレイヤーの意思決定によりシナリオが明らかに変化する。
自由(低):基本的にマスターの用意したシナリオから外れることはない。強制的にでもシナリオは軌道修正させられる。

挑戦(高):シナリオ難度が高い。敵が強かったり、謎が複雑であったり、相当ルールを駆使し、頭を使わないとミッションはクリアできない。
挑戦(低):シナリオは易しい。それほどルールを駆使しなくてもミッションは成功する。

安心(高):キャラクターのロストはまずない。不運なキャラクターの死亡などの際は、なんらかの救済措置がとられる。
安心(低):出目次第で容易にキャラクターは死亡する。過剰な救済はマスターからはしない。

 挑戦と安心は対極にあるようにも見えるが、かならずしもそうではない。そもそも戦闘の無いシステムであれば、キャラクターが死亡することはまずないし、戦闘のあるシステムで挑戦も安心も高い順位にある場合、敵は強くて全滅しても、NPCによって助け出されてシナリオは強制的に進むという感じになる。結果的に承認や自由の優先順位が低くなってしまう。

 身内のプレイの場合プレイヤーの嗜好はマスターが把握しているため、優先順位を付けやすいし、偏ったプレイでも全く問題ない。しかし、コンベンション場合、様々な嗜好の人と遭遇するため、偏った優先順位のシナリオはプレイヤー全員を満足させることは難しい。結果的にそつなくこなすくらいしか出来なかったりするのである。

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